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歯の寿命
日本における歯の寿命は、近年の歯科医療の進歩や口腔ケアの普及により、過去に比べて大幅に延びています。現在、日本人の成人が65歳までに自然に残っている歯の平均本数は、一般的に約20本以上とされています。この数字は、歯科治療技術や予防ケアの向上、定期的な歯科検診の普及によって改善されてきました。
特に、若年層では生活習慣の改善や教育の充実により、虫歯や歯周病の発症が減少し、歯の健康が長く保たれる傾向があります。また、80歳以上で20本以上の歯を保つ「8020運動」も推進されており、高齢者の口腔健康の向上が目指されています。
歯を失う主な原因
1. 虫歯(う蝕)
虫歯は、歯を失う主要な原因の一つです。虫歯は、口腔内の細菌によって歯のエナメル質が破壊され、進行すると歯の内部の象牙質や神経にまで達します。治療をせずに放置すると、さらに進行し、最終的には歯が脱落することがあります。糖分の多い食事や不適切な口腔ケアが虫歯のリスクを高めます。
2. 歯周病
歯周病(歯肉炎や歯周炎)は、歯を支える歯周組織(歯茎や骨)が炎症を起こす疾患です。歯周病が進行すると、歯周ポケットが深くなり、歯を支える骨が失われていきます。この結果、歯がぐらついたり、最終的には抜け落ちることがあります。歯周病の進行は、プラークの蓄積や不適切なブラッシング、喫煙などが影響します。
3. 外傷
事故やスポーツなどによって歯が外部からの衝撃を受けると、歯が折れたり、抜け落ちたりすることがあります。特に前歯などの目立つ位置にある歯は、外的な衝撃によって容易に損傷する可能性があります。外傷による歯の損傷や喪失を防ぐためには、適切な保護具の使用や事故防止が重要です。
4. 口腔内の不適切なケア
不適切な口腔ケアも、歯を失う原因となります。例えば、歯磨きが不十分であると、プラークや歯石が蓄積し、虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、デンタルフロスや歯間ブラシを使わないことで、歯と歯の間にプラークが残りやすくなります。これにより、歯の健康が損なわれることがあります。
5. 加齢
加齢に伴う口腔の変化も、歯を失う原因となることがあります。加齢により、唾液の分泌量が減少したり、歯茎が後退したりすることで、歯の健康が影響を受けることがあります。また、高齢者は全身の健康状態も口腔の健康に影響を与えるため、歯の寿命が短くなることがあります。
6. 遺伝的要因
一部の人々は、遺伝的に歯周病にかかりやすい体質を持っていることがあります。遺伝的要因が関与する場合、同じ口腔ケアをしても、歯周病や虫歯のリスクが高まることがあります。これにより、早期に歯を失うことがあるため、定期的な歯科検診や予防ケアが特に重要です。
予防と対策
歯を失わないためには、日常的な口腔ケアが重要です。具体的には、次のような対策が推奨されます:
- 定期的な歯科検診: 定期的な歯科検診を受け、早期に問題を発見し、適切な治療を行うことが重要です。
- 適切なブラッシング: 硬すぎない歯ブラシを使い、正しいブラッシング方法で毎日2回以上歯を磨くことが推奨されます。
- フロスや歯間ブラシの使用: 歯と歯の間のプラークを取り除くために、デンタルフロスや歯間ブラシを使用することが有効です。
- 健康的な食生活: 糖分の摂取を控え、バランスの取れた食事を心がけることで、虫歯や歯周病のリスクを減少させることができます。
- 喫煙の回避: 喫煙は歯周病のリスクを高めるため、禁煙を目指すことが歯の健康維持に役立ちます。
歯の寿命を延ばし、健康な口腔環境を維持するためには、予防と適切なケアが不可欠です。
歯列矯正は勿論、むし歯、歯周病、親知らず抜歯、インプラント、エクソソーム治療、ボトックス治療など幅広いご対応が可能です。
お口のことでお悩み事がありましたら、名古屋市中区にある久屋パーク歯科・矯正歯科までお気軽にご相談ください。
執筆監修
院長 座馬良明